6. 損益分岐ゴール
図 6.1: Future-Fitに向けた損益分岐ゴール
ここで紹介する23の損益分岐ゴールは、Future-Fitな社会の8つの特性に基づいてグループ化されています。各ゴールの概要に加え、達成に向けた詳細なガイダンスを記載した 「アクション ガイド」へのダウンロードリンクも提供されています。
6.2 水
未来に適した社会では、水は責任を持って供給され、すべての人に利用可能になります。
BE02: 環境に責任を持ち、社会的に公正な方法で水を利用する
企業が過剰な取水、汚染された廃水の排出、または取水した水を自然に戻す前にその特性に悪影響を及ぼすことにより、地域レベルで水の量、質、利用可能性を損なう可能性があります。
企業は、自社の水の使用によって、関係する流域に依存する人々や生態系が利用できる水の量と質が損なわれないようにしなければなりません。
企業がFuture-Fitになるためには、次のことが必要です。
- 工業用および商業用の水の消費を最小限に抑え、水ストレス下にある地域では最終的には消費をなくすこと
- 自社の排出が、受水域の水質や土壌の健全性を損なうことなく、生態系や人々に何らかの害を及ぼさないようにすること
[アクション・ガイド]をご参照ください。(#be02)
6.3 天然資源
未来に適応した社会では、コミュニティ、動物、生態系を保護するために 天然資源が管理されます。
BE03: 生態系、人、動物のウェルフェアが尊重されるように天然資源を管理する
天然資源の需要が増加するにつれて、その供給に寄与する生態系、人及び動物への負担も増します。
ここで強調すべきは、企業による天然資源の所有や管理、採掘が害を生じさせないことです。これには以下が含まれますが、これらに限定されません。
- 自然の再生能力を低下させないペースで再生可能な資源を収穫する
- 周囲の生態系やコミュニティに体系的な損害を与えない方法で非再生可能な資源を抽出する
- 動物のウェルフェアを尊重する
- 貴重な鉱物を採掘する際の紛争および人権侵害を回避する
Future-Fitであるために、企業は、次の条件を満たす必要があります。
- 所有または管理する全ての天然資源の健全性を保持する
- 収穫および採取活動によって影響を受ける生態系およびコミュニティの健全性を守る
[アクション・ガイド]をご参照ください。(#be03)
6.4 汚染
Future-Fitな社会では、環境は汚染のない状態に保たれている。
BE05: 事業活動による排出物が人や環境に害を与えない
企業の事業により、さまざまな化学物質および粒子が放出される可能性があります。自然界にすでに豊富に存在する物質や、自然界ですぐに分解され、影響がない物質の放出は問題になりません。
一部の物質は、人や生物に対して有毒であることが知られています。その他の物質についても、一見して有害には見えない場合もありますが、自然界がそれらを迅速に分解できない場合、気体、液体または固体で排出されることにより、環境中に系統的に蓄積され、危険なレベルに達する可能性があります。
最も懸念される物質には、自然界において希少なもの(カドミウムなどの微量金属など)、高い残留性を持つもの(CFC など)、および大量に排出されるもの(NOx など)が含まれます。このような潜在的に有害な物質はすべて、密閉されたループ内に保管するか、そもそも使用を控える必要があります。この目標の適用範囲は、物質の種類および排出形態に応じて、局地的な場合(土壌、河川など)から地球的規模(空気、海洋など)にまで及ぶ可能性があります。
企業がFuture-Fitになるためには、次の条件を満たす必要があります。
- 有害な気体の排出(大気汚染物質、有毒ガスなど)を排除する。
- 有害な固体の排出を(希少金属、有害肥料など)を排除する。
- 有害な液体の排出(流出物、化学物質)を排除する。
[アクション・ガイド]をご参照ください。(#be05)
BE06: 事業活動が温室効果ガスを排出しない
自然界は毎年、ある程度の人為的温室効果ガス(GHG)を安全に吸収することができます。しかし、Future Fitの必須要件は、企業が事業活動によるGHGの排出をすべて排除することです。これは、社会にとって壊滅的な影響を及ぼす可能性のある大気中のGHG濃度に、私たちが危険なほど近づいているためであり、残された炭素予算を企業間で分割しようとする試みは、現在求められている削減の規模と速度を実現するには、あまりにも複雑で、論争の的となり、時間がかかりすぎる可能性が高いからです。
企業がFuture-Fitになるためには、自社の事業活動およびエネルギー消費の結果として、ネットのGHG排出量をゼロとしなければなりません。ここでいう「ネットのGHG排出量」とは、総排出量から、永久に隔離されるか、適切に相殺される排出量を差し引いたものを意味します。
[アクション・ガイド]をご参照ください。(#be06)
BE18: 製品が温室効果ガスを排出しない
「事業活動が温室効果ガスを排出しない」という目標と同様に、企業が自社製品による温室効果ガスの排出をすべて排除することが不可欠です。
電気駆動の製品は、供給される電力が化石燃料由来である場合、間接的に温室効果ガス排出を引き起こす可能性がありますが、製品自体によって排出が余儀なくされるわけではありません。ここでは、使用によって直接的に温室効果ガスを排出する製品に焦点を当てています。
企業がFuture-Fitとなるためには、自社製品が温室効果ガスを排出しないことを確保しなければなりません。
[アクション・ガイド]をご参照ください。(#be18)
BE17: 製品は人や環境に害を与えない
多くの財およびサービスは、人や環境に有害な形で使用される可能性があります。ここでは、害を与えることを意図したもの、使用により害を与えると合理的に予測されるもの、社会がFuture-Fitに向けて進捗することを妨げる行動を植え付けたり、助長するものの3つの領域について取り扱います。
Future-Fitな企業は、提供するすべての財およびサービスが、意図されたとおりに使用される限り、環境の悪化、生態系の破壊、人々の心身のウェル・ビーイングにマイナスのインパクトをもたらさないことを確保しています。
有形財に関しては、この目標は、販売された財およびリースされた財に加え、企業が収益を生み出すものとはみなしていないものの、商業活動を支援する目的で他者に提供されるその他の物品等も含まれます。最終エンドユーザー向けの製品だけでなく、他の企業によって最終製品へ組み込みまたは加工される中間製品にも適用されます。
したがって、企業がFuture-Fitを達成するためには、他者に提供する財およびサービスが、使用中および(有形財の場合)寿命終了時に人々や環境に害を与える可能性が低いことを確保する必要があります。
[アクション・ガイド]をご参照ください。(#be17)
6.5 廃棄物
Future-Fitな社会では、廃棄物は存在しない。
BE07: 事業活動による廃棄物が根絶されている
この目標の目的上、廃棄物とは、企業の生産活動やその他の事業活動の副産物として発生し、企業が管理した状態で保持しているすべての原材料で、処理、再利用または廃棄を必要とするものを指します。 これには、有害および非有害の製造関連の原材料、および事務用紙、食品、廃棄機器などの非生産系の廃棄物が含まれます。
有機廃棄物は堆肥化し、土壌に還元することができますが、再利用可能な原材料はすべて再生利用されなければなりません。
企業がFuture-Fitになるためには、次の条件を満たす必要があります。
- 回避可能な廃棄物の発生をすべて排除する。
- 残存する廃棄物を再利用、リサイクル、または別用途に再利用する。
[アクション・ガイド]をご参照ください。(#be07)
BE19: 製品を別用途に再利用できる
Future-Fitな企業は、他者に提供する有形財が、寿命の終了時に、責任を持って別用途で再利用可能となるよう、あらゆる手段を尽くします。
この目標には、販売・リースされた製品に加え、企業が収益を生み出すものとはみなしていないものの、商業活動を支援する目的で顧客に提供されるその他の製品も含まれます。エンドユーザー向けに設計された最終製品だけでなく、他の企業によって最終製品へ組み込みまたは加工される中間製品にも適用されます。
企業がFuture-Fitになるためには、以下が確保されなければなりません。
- 寿命の終了時に、供給する製品の残余物が分離され、使用後の回収価値が最大化されること。
- 顧客がその価値を引き出すことができる回収サービスに容易にアクセスできること。
[アクション・ガイド]をご参照ください。(#be19)
6.6 物理的存在
Future-Fitな社会では、人類という物理的存在は生態系とコミュニティの健全性を守る。
BE08: 事業活動が生態系やコミュニティを侵害しない
土地に対する需要の高まりは、生態系、コミュニティおよび動植物種に圧力をもたらしています。企業が自社の物理的存在による影響を十分に考慮しない場合、自社および他の企業が依存している自然のプロセスや資源に回復不能な悪化を引き起こし、地域コミュニティのウェル・ビーイングを損なうおそれがあります。
マイナスのインパクトは次のように回避しなければなりません。
- コミュニティの土地権利を尊重する(例:土地の強奪に対するゼロ容認)。
- 水生生態系の悪化を防止する(例:サンゴ礁への破壊を回避する)。
- 生物多様性の価値が高い地域を保護する(例:農地開発のために熱帯雨林を伐採しない)。
- 文化的に重要な地域を侵害しない(例:先住民族が神聖視する地域を通る石油パイプライン)。
企業がFuture-Fitになるためには、次の条件を満たす必要があります。
- すでに存在している地域を保護する。
- 新たな地域に進出する際には、悪影響の回避または軽減に向けた措置を講じる。
[アクション・ガイド]をご参照ください。(#be08)
6.7 人
Future-Fitな社会では、人々には充実した人生を送る力と機会がある。
BE09: コミュニティの健全性を守る
すべての企業は、事業を展開する地域のコミュニティの善意、健全性およびレジリエンスに依存しており、自社の存在が地域コミュニティのウェル・ビーイングを損なうことがないよう確保しなければなりません。 Future-Fitな企業は、自社の存在が周辺コミュニティにマイナスのインパクトを与えないように、あらゆる可能な措置を講じます。ここで重視されるのは、コミュニティの懸念を予防、特定、評価、管理するための適切なメカニズムを導入し、潜在的に深刻な問題や正当な苦情が放置されないようすることです。
企業がFuture-Fitになるためには、次のことが必要です。
- 自社の活動によって影響を受ける可能性のあるコミュニティからの懸念を予測し、回避するよう努める。
- 実際に生じた懸念を公平に評価する。
- それらの懸念を効果的かつ透明性を持って管理する。
[アクション・ガイド]をご参照ください。(#be09)
BE10: 働く人々の健康を守る
職場の健康問題に適切に対処しない企業は、従業員に長期にわたる深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。
ここでいう「健康 "health" 」には、身体的安全性だけでなく、精神的・感情的なウェルネス、さらにはストレスの管理と緩和まで含まれることに留意してください。
身体的安全性に関しては、企業は、事故の影響を最小限に抑え、緩和するための措置を講じ、仕事に関連する負傷、疾病、死亡をゼロにすることを目指して継続的に取組むべきです。
企業がFuture-Fitになるためには、次のことが必要です。
- すべての労働者の安全を確保する。
- (例えば、運動、栄養、喫煙に関する積極的な姿勢を通じて)身体的な健康を促進する。
- 精神的なウェル・ビーイングを育む(例:いじめやハラスメントを一切容認しない)。
[アクション・ガイド]をご参照ください。(#be10)
BE11: 働く人々に最低限の生活賃金を支給する
企業は、すべての従業員とその家族が健康保険に加入し、栄養のある食事を摂り、基本的なニーズを満たすことに不安を感じることなく生活できる手段を確保するべきです。
生活賃金は、労働者とその家族に適切な生活水準をもたらします。生活賃金の水準は地域によって異なり、政府機関、学識者および/またはNGO によるガイダンスが提供されています。多くの地域では、生活賃金は法定最低賃金または貧困ラインの賃金を上回っています。生活賃金の算定では、標準労働時間における従業員の報酬に焦点を当てるべきです。残業手当や生産性に応じたボーナスおよび諸手当は、保証されていない限り、算定に含めるべきではありません。
企業がFuture-Fitになるためには、すべての従業員に少なくとも最低限の生活賃金を支払わなければなりません。
[アクション・ガイド]をご参照ください。(#be11)
BE12: 働く人々の労働条件が公正である
適切な労働時間で働き、雇用に対する安心感を持ち、十分な休暇が与えられている従業員は、職場でも私生活においても、身体的、感情的および精神的に成長する可能性が高くなります。
これは、従業員が団結権(労働組合に加入する権利、または加入しない権利など)、合理的な労働時間の権利、余暇の権利(休暇の取得や残業手当など)、および育児休暇の権利を有していなければならないことを意味します。
企業がFuture-Fitになるためには、次のことが必要です。
- 児童労働を使用しないことを確保する。
- 従業員の結社の自由を確保する。
- 公正な労働時間を含む契約を構築する。
- 適切な休暇期間を設ける。
[アクション・ガイド]をご参照ください。(#be12)
BE13: 働く人々が差別されていない
年齢、性別、性的指向、民族、出身国、障がいなど、個人的特性に関係なく、すべての人は公平に扱われ、平等な機会を与えられる権利があります。
職場における差別にはさまざまな形があり、組織内に根付いた規範や慣行によって差別的行為が助長される、あるいは少なくとも見過ごされ、問題視されないまま放置される可能性があります。
企業がFuture-Fitになるためには、採用、給与体系、雇用、業績評価、昇進などの主要な慣行について積極的に調査およびモニタリングを行い、たとえ意図的でないとしても差別が発生しないようにする必要があります。
[アクション・ガイド]をご参照ください。(#be13)
BE14: 働く人々の懸念が積極的に受け付けられ、公平に判断され、透明性のある形で対処されている
企業は、従業員のコミットメントおよびモチベーションに支えられているため、できる限り従業員を関与させることはビジネス上の賢明な判断です。この目標の意図は、この点に関して最低限の許容可能なパフォーマンス基準を設定することであり、つまり、企業が従業員のウェル・ビーイングを損なうようなことを一切行わないことを確保することです。
従業員の懸念がまったくない企業は存在しませんが、懸念を最小限に抑え、発生した懸念に効果的かつ適切に対処するために、あらゆる可能な措置を講じる必要があります。
企業がFuture-Fitになるためには、潜在的に深刻な問題や正当な苦情が放置されることがないよう、従業員の懸念を特定・管理するための適切なメカニズムを整備しなければなりません。
[アクション・ガイド]をご参照ください。(#be14)
BE15: 製品のプロモーションは正直であり、倫理的であり、責任ある使用を促進している
一部の財およびサービスは、その設計上の理由により、またはユーザーが誤用したり不適切に廃棄したりする可能性があるため、人や生態系に害を及ぼす可能性があります。企業は、潜在的なユーザーにそのようなリスクを認識させ、製品の購入、使用および(有形財の場合)使用後の処理に関して十分な情報に基づいた判断ができるようにする必要があります。
さらに、企業は、製品の利点に関する誤解を招くような主張を一切避け、適切な顧客グループのみをターゲットにする(例えば、子供に直接タバコやアルコールのプロモーション・販売を行わない)ことにより、正直なかつ責任ある方法で製品のプロモーション・販売を行わなければなりません。
これらの要件は、エンドユーザー向けに設計された最終製品と、他の企業によって最終製品に組み込まれたり加工されたりする中間製品の両方に適用されます。
企業がFuture-Fitになるためには、次の条件を満たす必要があります。
- ユーザーに自社製品のあらゆるマイナスのインパクトについて知らせる。
- ユーザーに対し、自社製品の利点について虚偽のまたは誤解を招くような主張をしない。
- 十分な情報に基づいて購入判断を下すことができる人に対してのみ、製品のプロモーション・販売を行う。
[アクション・ガイド]をご参照ください。(#be15)
BE16: 製品の懸念が積極的に受け付けられ、公平に判断され、透明性のある形で対処されている
製品に関連するその他の目標は、企業が提供する財およびサービスの倫理的なマーケティング、それらが害を与える可能性の有無、寿命終了時に財を別用途で再利用可能にする方法を対象としています。これらの目標をすべて満たすことで、企業は顧客の懸念を最小限に抑えることができます。しかし、企業がその責務を果たしていないと顧客が感じた場合には、顧客が正当な懸念を表明することができるようにし、それに対して公平に対処することも同様に重要となります。
これらの要件は、エンドユーザー向けに設計された最終製品だけでなく、他の企業によって最終製品へ組み込みまたは加工される中間製品にも適用されます。
したがって、企業がFuture-Fitを達成するためには、提供する財およびサービスの環境的・社会的影響に関する顧客の懸念を積極的に受け付け、公平に判断し、透明性を持って対処するための有効な内部統制を整備する必要があります。
[アクション・ガイド]をご参照ください。(#be16)
6.8 ドライバー
Future-Fitな社会では、社会規範、グローバル・ガバナンス、経済成長がFuture-Fitに向けた取組みを促進する。
BE04: 調達はFuture-Fitnessの追求を守る
すべての企業は、他の組織(総称して「サプライヤー」という)から調達する財およびサービスにある程度依存しています。一般的な例としては、エネルギー、水、コンピューター、輸送、機械、家具、会計サービス、製品の製造に必要な材料などが挙げられます。
すべての企業は、自社が依存する財およびサービスの生産および提供によって生じる環境的影響および社会的影響に対して、相互に説明責任を負っています。企業がそのようなマイナスのインパクトを効果的に回避またはこれに対処して初めて、その企業はFuture-Fitであると見なされます。
この目標を達成するためには、企業は、サプライチェーンの問題ごとにホットスポットを予測、回避し、これに対処することに特に重点を置き、継続的に購入品のFuture-Fitnessの向上を図る方針および手順を整備する必要があります。
企業がFuture-Fitになるためには、次の条件を満たす必要があります。
- 自社および従業員が、サプライチェーンへのマイナスのインパクトが発生し得る領域を予測できるような方針およびプロセスを整備する。
- 可能であればそれを回避する。
- 生じた懸念に対処するための測定可能な対策を講じる。
[アクション・ガイド]をご参照ください。(#be04)
BE20: ビジネスが倫理的に遂行されている
すべてのFuture-Fit損益分岐ゴールは、あらゆる企業に適用されるビジネス倫理の問題として解釈でき、またそのように解釈されるべきです。一方、この目標は、企業の事業特性に起因して倫理違反につながる可能性のある具体的な問題を積極的に特定し、事前に防止することに重点を置いています。
発生する可能性のある倫理違反の種類は、企業の規模、構造、業種、ビジネス・モデル、地理的拠点などによって、大きく異なります。Future-Fitな企業とは、倫理上の懸念や課題を放置するのではなく、違反の可能性を低減し、違反が発生した際には人々(従業員および第三者)に警告を発するよう促すとともに、違反に効果的に対応するための内部統制体制を整備している企業です。潜在的な問題の例として、以下が挙げられます。
- 反競争的行為(例:サプライヤーに対する不公平な扱い、価格操作)
- 偽情報の提供(例:利害関係者の意思決定やウェル・ビーイングに影響を与える可能性のある情報の虚偽表示または非開示)
- 信頼の悪用(例:個人データの不適切な使用)
- 故意の無知(wilful ingorance)(例:人権侵害が疑われるサプライチェーンの調査を怠る)。
企業がFuture-Fitとなるためには、以下を実施しなければなりません。
- 事業上の倫理的問題について、リスクが高い領域を特定する。
- 倫理的行動に対する公約を採用する。
- その公約を遵守するための内部統制を確立する。
[アクション・ガイド]をご参照ください。(#be20)
BE21: 正しいときに、正しい場所へ正しい税金を納めている
政府は、社会や企業が依存する重要なサービスの資金源として税収を必要とします。企業は株主に対し、納税に誠実に取組む責任を負っています。この目標は、企業が課税を通じて、自社の成功のために活用し依存しているインフラ(交通網、法制度、医療、教育、公共施設など)、さらには存在そのものに対しても貢献しなければならないという認識に基づいています。したがって、これらの成果は相反するものではありません。
企業がFuture-Fitとなるためには、以下を実施しなければなりません。
- 責任ある税務方針を公に掲げる。
- 税務報告において透明性のあるアプローチを採用する。
- 各国の税法の文言に従いつつも、その精神に反するような方法を意図的に模索し ない。
[アクション・ガイド]をご参照ください。(#be21)
BE22: ロビー活動や企業の影響力はFuture-Fitnessの追求を守る
企業は、自社が事業を展開する市場に影響を与えるため、市場を変える力を持つ人々に対して圧力をかけたり、説得を試みたりすることがよくあります。
この目標は、ビジネスに有利となるように市場の動向に影響を与えようとするいかなる試みも、社内外を問わず、Future-Fitに向けた進捗を妨げるものであってはならないという認識に基づいています。例えば、Future-Fitな企業は、より厳格な有毒物質排出規制に抗議する団体であることを認識した場合、そのような団体に資金を提供することはありません。
ここで求められるのは、Future-Fitに向けた成果を支援するために積極的にロビー活動または提唱を行うことではなく、企業が持つ影響力を利用して、そうした成果を損なわないようにすることです。これには、企業が世論を動かすための直接的な取組み(消費者キャンペーンなど)に加えて、企業に代わって影響を及ぼす可能性のある第三者への貢献(会費や寄付など)も含まれます。
企業がFuture-Fitになるためには、以下を実施しなければなりません。
- 組織がFuture-Fitに向けた成果に反対するロビー活動または擁護を行わないようにするための内部統制を整備する。
- 影響力を持つ第三者に対して自社が行った貢献の詳細を開示する。
[アクション・ガイド]をご参照ください。(#be22)
BE23: 金融資産はFuture-Fitnessの追求を守る
多くの企業は、金融資産(株式投資、債務証券、銀行への現金預金など)を、中核事業の一環として、戦略的なビジネス目標の達成手段として、あるいは他の目的に活用されるまでの余剰資金の運用方法として、保有または管理しています。対象となる組織に関連する金融資産の購入と取引は、投資先が活動を継続または拡大するための資金の供給につながります。投資先によってもたらされるポジティブまたはネガティブな結果は、供給された資金によって維持または拡大される可能性があるため、投資家は相互に責任を負うことになります。
Future-Fitを目指すためには、自社の資本により、他社の活動に資金を提供する企業は、それらの活動から生じるあらゆるマイナスのインパクトを特定し、軽減することで、Future-Fitnessの追求を守るよう努めなければなりません。
[アクション・ガイド]をご参照ください。(#be23)