2. はじめに
アーウィン・コーリー
Future-Fitな社会への移行は長く困難な道のりとなるでしょう。しかしどんな旅でも、必要なのは2つだけです。目指すべき目的地と、進捗を把握する手段です。
社会問題や環境問題に関するガイダンスには、さまざまなリソースが存在します。しかし、それらの多くは個別の課題(例:排出量、人権)またはタスク(例:報告)に焦点を当てているか、ビジネスに特化していない一般的なアドバイスであるため、企業がそれを行動に落とし込むのは難しいのが現状です(例:国連の持続可能な開発目標)。
そのようなリソースを補完するのが「ベンチマーク」です。企業がこれまで欠いていた「科学的根拠に基づいた明確な目的」と、「それに向けた進捗を導きモニタリングする手段」を提供します。
「ベンチマーク」の中心には、23の 損益分岐ゴール, があります。これらは、全ての企業が遅延なくFuture-Fitな社会へ移行するために達成すべき基準を示しています。また、補完的な一連の 指標(indicator) により、どの企業でも、各損益分岐ゴールに向けた進捗を測定、管理、説明できるようになります。
多くの企業は、単に害を及ぼさないことにとどまらず、世界において良い影響を与える力(force for good)となることを目指しています。「ベンチマーク」はそのような取組みを支援するために、企業がFuture-Fitな社会への移行を加速させるために取り得るあらゆる行動を特徴づける 24のポジティブな取組み を特定しています。
このガイドを用いて
“現在の状況:システムの視点” では、現代社会が置かれている状況とその背景を説明し、今後どのような変化が必要であるかをシステム思考を用いて探ります。
“目指すべきもの:Future-Fitな社会” では、私たちが目指すべき共通の目的地として、Future-Fitな社会が実際にどのようなものであるかを提示します。
“企業のための実行可能なガイダンス” では、これらのシステム的な概念を実行可能なビジネス・ツールに変換する方法を説明し、個々の企業がFuture-Fitの実現に向けた集団的な取組みに貢献できるよう支援します。
最後の2つのセクションでは、損益分岐ゴール と ポジティブな取組みについて説明します。
Future-Fitビジネス・ベンチマークは公共財であり、誰でも無料で使用できます。このツールを継続的に改善する中で、私たちは皆様のご経験を伺いたいと思っています。ご連絡は、 info@futurefitbusiness.org までお願いいたします。